ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女

3/7のレイトショーで見てきました。

 舞台は第二次大戦下のイギリスから始まります。
ドイツによるロンドンの空襲を逃れ、田舎の教授の家に疎開してきたペベンシー家の4兄妹が主人公。
ある日、かくれんぼをしている最中、末娘のルーシーがある空き部屋にある巨大な古い衣装ダンスを見つける。毛皮のコートを押しのけてその中に隠れ、奥へと進んでいくとその先にはなんと雪に包まれたナルニア国が広がっていた。

以下ネタバレ有り
 人語を喋る動物や、半人半獣の生物たちが住んでいるナルニア国。
ここにはある予言があり、それによると、いつか現れる人間たちが、白い魔女によってもたらされた100年の冬を終わらせ、ナルニア国の救世主となるというのだ。かくしてこの予言に従い、どこにでもいそうな4兄妹は、ナルニアの王アスランと共に、白い魔女と対決することになる。
といった単純明快なストーリもの。

映像では、アスランをはじめ、ナルニアの生き物はそれぞれ実物やCGを使い分け、違和感なく描かれる。ルーシーが最初に出会うフォーン(上半身が人間、下半身がヤギの種族)の歩行シーンの滑らかさや、セントール(上半身が人間、下半身が馬の種族)の実物とCGの滑らかな合成による動きにはかなり驚かされる。他にも有名なグリフィン(獅子の胴体に鷲の頭部と翼を持つ種族)の飛翔シーンが良かった。


ただ、多くの種族が出てくるシーンが大軍同士の戦闘シーンのため、個々のモンスターの造形美や動きを楽しむことはできず、魅力的なモンスター達がもったいない状態でもあった。
また、もっとも長く登場する4兄妹達に華がないのが微妙な部分だろうか?
最後の数分間に出てくる成人した4兄妹を含め、大人達に演技面でもルックス面でも華がある分、4兄妹に華がないのがより際立った形になっていた感がある。
物語の部分では、描写不足と思えるシーンがいくつかあったのが残念。
例えば、4兄妹がサンタクロースから魔法の品々をもらうのだが、末娘のルーシーはどんな傷も癒してしまう秘薬を、次女のスーザンは弓を信じて射れば矢が必ず的に当たる弓を手に入れるのだが、長男のピーターが手に入れる剣と盾の効果をまったく説明していないのだ。
後の戦争シーンでピーターは大活躍をするのだが、一度観客に何らかの威力または説明を見せてから、肝心の戦争シーンに入っていれば、その活躍にも説得力が増していたはず。
*1
しかし、そういうデモンストレーションを全くしていないため、ただの子供がなんであんなに強いんだ?といった感じに見える。
映像が良いだけに、こういう小さい部分の手抜きは際立って見えた感がある。


ディズニー特有の魅せるシーンも数多いだけに非常に残念。

*1:最強の騎士の力が宿った、まことの騎士の精神を貫くものに助力する〜等