GMテクニック“呪いの武具”

PL側にしてみればデメリットのように思えるかもしれませんが、これにはいくつかのメリットが考えられます。

  • GMはPCに強制的な行動を要請する時に、「ほら、呪われてるし」で済ませることができる=動機作りが簡単になる
  • 呪われている武器はデメリットと共にメリットを持っているものなので、強力な敵を出すことができる=派手な戦闘ができる
  • PCが神か悪魔にかはわからないけれど「選ばれた者」として事件に連続して巻き込まれるような不自然な状況を自然に演出できる

自分もこのメソッドの1つ目のメリットは見逃せないと思う。
 
 例えば、このメソッドを使っている公式シナリオとしてアリアンロッドの『迷宮の樹』が挙げられる。
このシナリオでは、上記メソッドの1つ目と3つ目を使用しており、『迷宮の樹』『妖魔の洞窟』『地下遺跡の封印』『封印の迷宮』『フォモール王の帰還』から構成されるファーストクエストキャンペーンの最初のシナリオにもなっている*1
『迷いの樹』では上記メソッドの2つ目のメリットは使用していないが、キャンペーン最終シナリオである『フォモール王の帰還』では2つ目のメリットを使用している。
別システムであり、シナリオではなくリプレイになってしまうが、“新六門世界RPGリプレイ(1) 呪われ剣士と夢の島”でも上記メソッドが1つ目と3つ目のメリットと共に使用されており、最終シナリオでは2つ目のメリットが使用されていた。
この様に、メーカー作成のシナリオ(リプレイ)でも使用される程に、上記メソッドは有効なGMテクニックの1つなのだ。
 
2つ目のメリットについて、以下の考察をされている。

呪われている武器はデメリットと共にメリットを持っているものなので、強力な敵を出すことができる

これは“抑圧と解放”による(PLに)快感を与えるものなのではないだろうか。
“抑圧”これは行動の制限が該当する。ファーストクエスト、新六門世界RPGリプレイ共に行動の制限がされているし、シナリオ以外の例では、アルシャードffのHOTの1つ『約束の剣*2』ではクライマックスまで使用できないという制限がかかっている。
“解放”これは字そのまま抑圧されていた部分が解放される事が該当する。ファーストクエストでは呪われていた武具は強力な神具に、新六門世界RPGリプレイでは呪いの元凶だった悪魔がお助けキャラとして参戦、『約束の剣』では使用制限が解除され、その強さを発揮する機会を得るといった具合である。
このメソッドが巧みな点は上記の通り、GMにとってPL(PC)の動機作りに効果を発揮するだけでなく、PL(PC)としても受け入れ易い様にできていることだ。
 
P.S
HOTの『約束の剣』については、確認が必要。違うHOTだったかもしれないし、アルシャードffではなく、天羅WARだったかもしれない。

*1:同時にルールブック掲載シナリオとして、初めてアリアンロッドに触れる初心者向けのシナリオにもなっている

*2:クライマックス以外では使用できない攻撃力の高い剣