あの演説をTRPGに置き換えて…。

 演説を見て感動したんで翻訳をがんばってみました。
翻訳が終わった時には既に翻訳が出ていたので、TRPGに置き換えてみたYo!
名前が出てきている人には許可をもらっています。



 もし、TRPGではどんなことでも起こり得るということが信じられない人がいるのであれば、TRPGの理念が今日も生きていることに未だ確信が持てずにいる人がいるのであれば、TRPGの力に疑問を呈する人がいるのであれば、今夜がその答えだ。
 その答えは、かつてない程の数の売り場を取り囲んだ長蛇の列に並んで、3時間も4時間も待っていた、そんなのは人生で初めての経験であろう人々によってもたらされたのだ。何故なら、彼らは今回こそは違うと信じていたからだ。そして、彼らの声がその違いになったのだ。
 答えを出したのは、若者、老人、金持ち、貧乏人、国内メーカー支持者、海外メーカー支持者、日本人、外国人、同性愛者、非同性愛者、障害者、非障害者な人々だ。それは世界にメッセージを発信する全てのTRPG愛好家によって、語られた。我々は単なる雑多な個人の集合体でも、国内メーカー支持者と海外メーカー支持者の集合ではないのだと。我々はこれまでも、そして、これからも常にTRPG愛好家の集団なのだと。
 その答えは、我々が成し遂げようとしていたことに対して時にシニカルになれと、時に恐れよと、時に懐疑的になれとあまりにも多くの人々から、あまりにも長い間言われ続けてきた人々が歴史に触れ、今一度それをより良き日々への希望に向けて決心するものなのだ。
 答えが出るまでには時間がかかったが、今夜、我々が今日行った行為によって、まさにこの瞬間に、TRPGに変革が訪れたのだ!
 つい先程、彼からとても丁寧な電話をいただいた。彼は長い間ハードにこの選挙を戦ってきたが、もっと長い間、困難な戦いを愛するTRPGの為に戦ってきたのだ。
彼は我々の多くが想像することも難しい程のTRPGへの犠牲に耐え、この果敢にして無私の貢献の結果、我々はよりよい今日を享受している。私は彼らのこれまでの偉業を称え、数ヵ月後にこのTRPGの行く末を刷新する為に共に働ける日々を楽しみにしている。
 この旅路のパートナーに感謝したい。心から協力し、日本で共に育ち、仙台で一緒にTRPGを遊んだ仲間たちだ。この人の不屈の協力がなければ私はここに立っていることすらできなかっただろう。この3年間の最良の友であり、我が家の要であり、我が愛であり続けたKei。ミク、ナナ、あやちん、のんちゃん、姫、メガネ、ロザミィ、貴女たちが思う以上に私は愛しているよ。約束通り、pathfinderの翻訳をするからね。そして、お祖父さん。あなたはもうここにはいないけれど、私を今の私にしてくれた家族と共に見守ってくれていることを知っているよ。彼らが今晩、ここにいないのがとても残念だ。彼らには、どれほど世話になったことだろうか。
 今回のセッションを統括してくれた熊さん、そして今世紀最高のチーム、これは君たちの成果だ。その為に払ってくれた犠牲に対し、私は一生感謝を忘れない。
 しかし、何よりも、私はこの勝利が本当は誰のものであるかを決して忘れない。あなたたちだ! この勝利はあなたたちのものだ!
 私が優秀なTRPGユーザであった事は一度としてなかった。資金もなければ支持もなかった。我々のセッションは東京のホールではなく、仙台の居間や東北の市民館の小さな会議室から始まったのだ。
 それは、500円、1000円、2000円といったなけなしの資金を提供してくれた労働者たちから始まった。次に、若者たちが力をくれた。その年代は無関心であるいう神話を否定し、安い賃金と少ない睡眠時間で働く為に家と家族から離れて協力してくれた。それほど若くない人々も極寒酷暑の中、全く見知らぬ人々のホームページを訪ねてまわってくれた。何百万人ものTRPG愛好家が、ボランティアとして組織をつくり、1世紀近くを経てもなお“TRPG愛好家の、TRPG愛好家による、TRPG愛好家の為のTRPG”がこの地上から消滅していないことを証明した。これは、あなたたちの勝利なのだ!
 あなたたちは、セッションをする為にこれをやったわけではないし、ましてや私の為にやったのわけでもない。あなたたちがここまでやったのは、この先に待ち構えている楽しみが莫大であることを知っているからだ。こうして祝福している今夜でさえ、明日やってくるであろう試練が今までの人生で最も厳しいものになるだろうことを知っている。冬の時代、環境危機、今世紀最大の経済危機。我々が今夜ここに集っている間にも、F.E.A.R.の会議室やSNEの会議室やHJの会議室で勇敢なTRPGデザイナーたちが我々の為に命をかけている。子供が寝た後で、どうやってD&D4thを買っていくか、SNEのSW2.0のリプレイ代を支払うか、F.E.A.R.アルシャードガイアサプリメント代の資金を捻出するか、悩んでいる両親がいる。進むべき新たな青き海があり、創出しなければならない新たなルールがあり、建設しなければならない新たな遊び場があり、対応すべき脅威が待ち構えており、修復しなければならない同盟が待っている。
 この先の道のりは長く、険しい。一年では辿り着けないかもしれないし、一期でも難しいかもしれない。だが、TRPGよ、私は今夜ほど希望を抱いたことはかつてない。私はあなたたちに約束しよう。我々は必ず成し遂げると。
 後退することもあるだろう、道を間違うこともあるだろう。私が1TRPGユーザとして、下す決心や方針に同意しない人は沢山いるだろうし、TRPGが全ての問題を解決できるわけでもない。だが、少なくとも我々が直面する課題に関して、私は常に正直でいようと思う。私はあなたたちの声に耳を傾ける、同意が得られない場合には特に良く耳を傾けよう。何よりも、私はあなたたちに参加して欲しいのだ。過去長きに渡って、TRPGがしてきたようにTRPGを改善していく仕事に、1ワードずつ、1ページずつ、まめだらけの手を貸して欲しい。
 21ヶ月前の真冬に始まったことが、この秋の夜に終わるわけではないのだ。この勝利それ自体は我々が望んだ変革ではない。変革を起こすチャンスを与えてくれただけだ。ここで後戻りしたら何も起こらない。あなたたちの協力がなければ何も起こらないのだ。
 だから、新たにTRPGを愛する精神を、奉仕と責任の精神を呼び戻そう。自分だけではなく互いに助け合えるようにする為に。危機がもたらした教訓を思い出そう。それは、何もしなければ何も変わる事ができないという教訓だった。少なくともTRPGでは。我々は、1つの民として運命を共にするのだ。
 これまでに余りにも長い間TRPGを毒してきた党派心、狭量、未熟さといった誘惑を跳ね除けよう。TRPGを最初にこの世界に広めたのはD&Dであったことを思い出そう。D&Dは伝統あるTRPGシステムだが、その価値観は我々全てが共有するものだ。今夜、我々は偉大な勝利を手にしたが、謙虚に、そして進行を妨げる断絶を修復する決意を持って、この価値観を共有しようではないか。D&Dは現在よりも遥かに分断されたTRPG愛好家に広まった。“我々は敵ではなく友なのだ。情熱は異なれど、それは愛情で結ばれた絆を断ち切ってはならない”だから、今後、私が助力を必要とするであろうTRPG愛好家たちに伝えたい。私はあなたたちを楽しませる事はできないかもしれない。だが、あなたたちの声に耳を傾けよう。あなたたちの助けが必要なのだ。そして、私も1TRPGユーザとしての責務を果たそう。
 そして、海の向こうから今夜の様子を見ている人たちに伝えたい。議事堂や王宮、うち捨てられた街角のラジオに集う人々までに。我々の物語は別々かもしれないが、我々の運命は共有されている。新しいTRPGの時代がやってくる。TRPGの世界を引き裂こうとしている者は、我々が打ち倒そう。楽しさと喜びを求める者は、我々がサポートしよう。そして、今でもTRPGはそれほど輝いているのかと疑問に思う者よ。我々の強さの源は軍事力でも経済力でもなく、尽きることない理想にあるのだという事を、すなわち自由、無限の可能性、確固たる希望なのだということを、今夜我々は今一度証明したのだ!
 TRPGの天賦とはTRPGは変わることができるということだ。我々の団結は完璧になりうる。これまでに成し遂げてきたことが、明日から成し遂げなければならないことへの希望となる。
 このセッションでは多くの史上初と多くの物語が生まれ、語り継がれていくだろう。だが、今夜私の頭にあるのはある1人の女性の物語だ。彼女は、セッションを通じて声を届かせようと列に並んだ何百万人もの人々となんら変わる所はない。唯一つ、のんちゃんが多くの悲劇を体験をしていることを除いては。
 彼女は冬の時代の直後にTRPGに触れた、当時は今ほどオンラインセッションをしている場所もなく、遊ぶ機会もなかった。更に、二つの理由でセッションに参加することもできなかった。彼女が女性であり、近くにTRPG愛好家がいなかったからだ。
 そして今宵、私は彼女が過ごした数年を思う。悲嘆と希望に、闘争と前進に。我々にはできない、と言われ続け、その老害の信念を押し付けられた日々。いや、我々には出来るんだ!
 女性の声は押し殺され、女性の希望がかき消された時代。彼女は見た。女性が立ち上がり、声を上げるのを。そして、セッションの場にやってきた。そうさ、我々には出来るんだ!
 冬の時代に苦しむTRPG愛好家に絶望が、そして国中に恐慌が蔓延した時代。彼女は見た。F.E.A.R.ゲーマーズ・フィールドとリプレイによって自力で恐怖を克服する様を。そうさ、我々には出来るんだ!
 HJとSNEがTRPGから撤退し、“TRPGの時代は終わった”と言う言葉が囁かれた時。彼女は見た。F.E.A.R.が偉大にも立ち上がりTRPG業界が救われるのを。そうさ、我々には出来るんだ!
 彼女は見た。HJがD&D3eの日本語版と共に、SNEがSW2.0と共に、TRPG業界に復帰するのを。そして、彼女は聞いた。会社の昼休み時間にWebリプレイを見ているところを発見したあやちんが「一緒にTRPGしない♪」と語るのを。そうさ、我々には出来るんだ!
 人類が月に到達し、ベルリンの壁は崩され、我々の科学と創造力とWebによって世界中が結ばれた。今年、彼女は指でマウスをクリックするだけでセッションに参加した。何年もの間、TRPGなしで生活し、最良の時も最悪の時も経験してきた彼女は、TRPGがいかに変われるかを知っている。そうさ、我々には出来るんだ!
 TRPGよ、我々はここまでやってきた。実に多くのものを見てきたが、実に多くのものが手付かずだ。だから今夜、我々は自問しよう。我々の子供たちが次の世紀を迎えるならば、幸運にも長生きできたなら、どんな変化を目撃するのだろう? どんな進歩を成し遂げているのだろう?
 その問いに答える機会が今なのだ。今、この瞬間こそ、人々を仕事に戻し子供たちにセッションの機会のドアを開き、繁栄を取り戻し、平和を推進し、TRPGの時代を取り戻すのだ。つまり、多くの面で我々は一体であり、共に生き、共に望み、シニカルであったり懐疑的であったり、我々にそれは無理だと言い続けるような人々に出会った場合には、我々は朽ちることない信念をもって応えよう。
 
 我々には出来るんだ!と。
 
 ありがとう。あなたたちにダイスの神の加護があらんことを。TRPG愛好家にダイスの神の加護があらんことを。