TRPGのイノベーションのジレンマ


TRPGのイノベーションについて
TRPGのイノベーションについて - xenothの日記
上記サイトの「TRPGのイノベーション」という部分を見て、つらつら考えたこと。

  1. 優良企業は顧客のニーズに応えて従来製品の改良を進め、ニーズのないアイデアについては切り捨てる。イノベーションには従来製品の改良を進める持続的イノベーションと、従来製品の価値を破壊するかもしれない全く新しい価値を生み出す破壊的イノベーションがあるが、優良企業は持続的イノベーションのプロセスで自社の事業を成り立たせており、破壊的イノベーションを軽視する。
  2. 優良企業の持続的イノベーションの成果はある段階で顧客のニーズを超えてしまい、顧客はそれ以降においてそうした成果以外の側面に目を向け始め、破壊的イノベーションの存在感が無視できない力を持つようになる。
  3. 他社の破壊的イノベーションの価値が市場で広く認められた結果、優良企業の提供してきた従来製品の価値は毀損してしまい、優良企業は自社の地位を失ってしまう。
  4. イノベーションのジレンマ - Wikipedia
 イノベーションのジレンマの説明は上記の通り。 「イノベーションには従来製品の改良を進める持続的イノベーション」とは、あるテクノロジーがユーザーの要望を聞きながら進化していくうちに、声の大きいパワーユーザの声ばかり聞こえてきた結果、その要求通りの仕様にして、必要もなく肥大化してしまうことを意味している。 「従来製品の価値を破壊するかもしれない全く新しい価値を生み出す破壊的イノベーション」とは、機能的には遥かに劣るが、別の面で格段に良いテクノロジー、例えば小さかったり、安かったり、操作性が向上したりしたテクノロジーが現れ、既存の市場を奪ってしまうということは意味している。 文字だけだと良く分からないと思うので、具体例をあげていくと、ゲームの端末では、FC→SFC→PS→PS2・SS→PS3XBOXが持続的イノベーション、DSやWiiが破壊的イノベーションといった具合になる。  TRPGメーカーでは、F.E.A.R.はALSシリーズや、S=Fシリーズを見て分かる様に、基本的に持続的イノベーションを行っていっている。 ただ、破壊的イノベーションとして、多様性のある別システムを出していっているのも事実。 それが商業的に成功したかどうかは置いておくとして。 WotCというか、D&DはD&D3e→3.5eを見れば持続的イノベーション、D&D3.5e→4thを見れば破壊的イノベーションと言える。 上記の様に、TRPGメーカーでは、持続的イノベーションによる既存顧客の囲い込みと、破壊的イノベーションによる新規ユーザの獲得をしていっている。 システムの動きではないが、最近の破壊的イノベーションといえば、シルバーレイン専用のオンラインセッション用チャットツールを公式サイドから提供したものだろう。 雑誌が売れず、出版業界も厳しい状況になっている。 ルールブックやサプリメントの販売を本という形態のみに頼る状況では今後ますます厳しい状況になっていくことが予想される。 paizoがしているpdfファイル配布による販売、課金型のオンラインセッションツール等、システム以外の面でもイノベーションが齎されることを期待したい。