なぜなぜなぜ?“なぜ全滅という結果になってしまったのか?”

起こったことに対して、なぜ?なぜ?なぜ?と考えていき、次は起こらないようにするというもの。
前回のエントリ
◆状況
・参加者はマスターも含めて全員カオスフレア初体験。
・自分のみリプレイ('emeth氏・o+nira氏)等を見て雰囲気を知っており、マスターと自分のみルールブックを購入している。
・PCは全て公式シナリオ1で指定されているクイックスタート(界渡りの戦士・剣の聖女・戦場の毒蛇・龍戦士)を使用


◆“なぜ全滅という事態になってしまったのか?”
プレイヤー全体のフレア(トランプのカード:トランプの数字を達成値に加算することができる)があまりにも酷い状態だったため。


クライマックスまでに全PCはパス*1を7つにしていたが、セッション中にマスターからのフレア*2の配布が2回しかなかったため、プレイヤーのフレアは初期配布されるエース以外では絵札は1枚〜2枚、残りは小さい数字というあまりにも酷い状態だった。
(異界戦記カオスフレアを深く知っている人なら、その状態でも公式シナリオ1のクライマックスを乗り切る方法がわかるかも知れないが、自分とマスター以外はデータを見るのも初めてという状態では、この状況を乗り切る事はできなかった。)


◆“なぜプレイヤー全体のフレアが酷い状態になってしまったのか?”
セッション中にマスターからのフレアの配布が2回しかなかったため。(クライマックスフェイズでは0回)


異界戦記カオスフレアのシステム上、マスターからのフレアの配布以外では、他のプレイヤーへのフレアの受け渡しまたはフレアの消費による“パスの数>所持フレアの枚数”という状況以外でフレアを新たに手に入れる方法がない。
また、パスの数までのフレアの回復はシーンの終了のタイミングで行われるため、戦闘中にフレアを消費しても、マスターからのフレアの配布以外ではプレイヤー全体の所持フレアは決して増えないようにシステム的に作られている。


◆“なぜフレアの配布が2回しかないという事態になってしまったのか?”
参加者のうち、マスターにしかフレアの配布を許さない異界戦記カオスフレアのシステム上の問題のため。


今回のセッションでは、マスターがはじめてのシステムでどの程度渡せばよいかうまくつかめていないために起こったが、プレイヤーフレンドリーではないマスターのセッションでも同じことが発生するシステムの仕組みになっているように見える。
こう書くと“TRPGは悪意と妨害に弱い!”という言葉が出てくる。
確かに、“TRPGは悪意と妨害に弱い”と自分も思う。
だが、“悪意や妨害に弱い”ことと、“悪意や妨害への対策をしない”ことは全く違うものだ。


異界戦記カオスフレアを含め、FEARのシステムの殆どのものは、“ゴールデンルール”というルールで、マスターに最高権限を与え、マスターの決定に参加者は従うという方法を取っている。
これは、マスターする人は良心的でまともな人という性善説の考え方に従っているが、マスターする人が良心的でもないし、まともでもない場合、どうしようもなくなる。
そして、“ゴールデンルール”を採用しているシステムでマスターする人が良心的でもないし、まともでもない場合の対策は殆どのもので取られていない。
“プレイヤーに有利になるよう解釈し、それを採用するとよいだろう。”≒“プレイヤーフレンドリー”というのもマスターする人が良心的でもないし、まともでもない場合の対策にはなっていない。


このような場合の抑止策としては、1人に権限を集中させずに、複数人に権限を分散させるというものがある。
異界戦記カオスフレアの場合では、以下のようなものが該当するだろう。
(2006-01-08追記)

・マスターとプレイヤーはフレアの配布を行える。
・プレイヤーは1シーンに最大3枚のフレアの配布を行える。
・フレアの配布及びフレアの受け渡しは自分を除く参加者が対象である。
・マスターはフレアを常に自分のソフィアと同じソフィアのフレアとして扱う。
・マスターの手札上限は、プレイヤーキャラクターの中でもっとも少ないパスの数と同じである。

悪意のあるプレイヤーが参加していたとしても、フレアの配布は自分を除く参加者のため、直に自分が有利になるようにはならない。
また、ルールブックP.175の柱にも、フレアの配り過ぎについて、心を悩ませる必要はあまりないとも書かれている。
異界戦記カオスフレアで問題となるのは、フレアの配布が少ない場合だといえる。
とりあえず次回自分がマスターをする時は上記の3項目を追加して遊ぼうと思う。

*1:手札上限をかねているもの

*2:トランプのカード