生産性に対する3つの行動
退化しているのは日本のWeb開発者ではない,サービス残業を強要する20の方法 - カレーなる辛口Javaな転職日記で、色々リンクがあり、辿って行った結果、以下の様な記事を見つけた。
退化しているのは日本のWeb開発者ではない,サービス残業を強要する20の方法 - カレーなる辛口Javaな転職日記
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「産科医が年間300件の分娩するまで問題はない」 - カレーなる辛口Javaな転職日記
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どうしたらいいんだろうね(2) - masayangの日記(ピスト通勤他
Agile布教をやっていてガックリするのが「生産性を向上させても、その分仕事を追加されるのがオチ」と考えている人が少なからずいること。それも若い人達に。一種の諦めなのかもしれないが、文化というものは変えなければ変わらない。諦めてしまったら何も変わらない。
2年近く前の記事に対して反応するのもおかしいが、agileを布教している顔見知りと同じ意見を言っていたので…。
自分は、「生産性を向上させても、その分仕事を追加されるのがオチ」と思っている。
ただ、これは考えているだけではなく、実践した結果から来ている想いでもある。
そうそれは、社会人に成り立ての頃。
agileという言葉も知らず、「生産性をあげて、残業せずに早く帰宅する様にし、会社の業績もあげて、皆で幸せになろう!」と提案して行動していた時があった。
今ではアジャイル開発手法として一般化されている、“見える化”や“To-Doリスト”、“朝会”等、agileやそれ以外、自分で考え出した色々な手法を試し、生産性を向上させれば早く帰れるし、会社にとっても損はしない、顧客も満足という顧客、会社、社員全員がwin-winな関係を構築出来ると考えていた。
しかし、実際に実践した結果、自分にかえされた結果は “さぼり野郎” という罵倒の言葉と、追加の仕事だ。
実践した自分には断言出来るが、「生産性を向上させても、その分仕事を追加されるのがオチ」というのは真実なのだ。
そもそも成果も測ることができないために「残業時間が多い奴ほど頑張っていて偉い」と考える『エライ人』が問題なのですよ.人月単価とか一般競争入札なんてその最たるもの.
と1つ目の記事にも書かれているがこれが真実なのだ。
では、いったいどうすればいいのだろうか? 選択肢は3つある。
1つ目は、「生産性を向上させても、その分仕事を追加されるのがオチ」と考えて現状を肯定することだ。
他人を変えるのは面倒で、大変だ。満足してないが、このままでいいじゃないかという長いものには巻かれろという考え。
2つ目は、Agile布教の言葉に乗って、生産性を正直にあげることだ。
これにはメリットもある。生産性をあげる為には色々工夫をしなくてはならない、もちろんその中には今まで疑うことなくしてきた仕事のやり方を変えることもあるだろう。そうして、仕事のやり方からムリ、ムダ、ムラを無くすことで、あなたの能力は高まるだろう。
しかし、とても大きなデメリットがある。上でも記載しているが、たいてい生産性をあげて空けた自分に新しい仕事を追加されるということだ。
3つ目は、上記いずれにも該当しないやり方をすることだ。
例えば、「残業時間が多い奴ほど頑張っていて偉い」という文化を変えるというのもいいだろうし、どうどうと開き直って、仕事を終えたらさっさと帰るというのもいいだろう。
自分の場合、生産性を上げるが、空いた時間は他の人間のフォローに回る様にしている。
例えば、
- 他人の作業がスムーズに運ぶ様に、業務について、分かり易い資料を作成する。
- Excelよりも簡単に進捗管理が行えるツール*1を導入して、進捗管理にかかるメンバの工数を抑える。
- メールや配布資料では散らばってしまう、ノウハウを一元管理する為に、wikiを立ち上げて、メンテナンスを行う。
- 過去のバグ分析から頻出バグの傾向を見て、その対策の為のアクションを行う。
つまり、ピーター・ドラッカーが言うところのチームに対するマネジメント、つまりチームの作業能率を上げる行動をとって、チームに貢献しているのだ。
日本ではコストや進捗を管理する人間をマネージャと呼ぶので、自分の様なこういった行動をする人間をマネージャとは呼ばず、*2単に“雑用係”と呼ばれる。
そういった言葉に眼を瞑れるのならば、チームに貢献でき、なおかつ自分の能力も成長するこのアクションはなかなかよいのではないかと思う。